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2005年10月03日
「意欲と能力は区別する。」
9月27日に申し上げていたとおり、本日は、
「意欲と能力は区別する。一馬力発想はダメよ」ということについて
お話をさせて頂きます。
お客様に可愛がられると、期待され、ビジネスで出番を頂くことが
出てきます。
その時によく犯しがちなのが、「ものごとを『意欲』のみで解決しようと
する(=自分ひとりのチカラで解決しようとする)こと」だと思います。
もちろんその「姿勢」は尊く、「心意気」は素晴らしいのですが、
自分自身の現時点での「能力」を客観的にみて判断することも
大事です。
(ここでいう「能力」とは、「求めているもの・状態に現実を一致させるチカラ」という
ように定義します。)
つまり、(自分本位の)「意欲」をお客様に押し売りしない。ということです。
なぜなら、いくら可愛がって頂いていても、ことビジネスで出番を
頂くということは、「価値」と「価値」の交換を前提とするからです。
いつもの話で恐縮ですが、
「お客様は私たちから、何を買っているのか。お客様は私たちの何に
対して対価をお支払いになっているか」
当然ですが、間違っても「意欲」ではない。
「お前が熱心なのは分かるけど、それに対して値段はつかへんでぇ。」
というのがお客様の正論です。
お客様はご自身の「課題」を解決するための具体的手段、そして
その具体的効果を求めている。
ということは、具体的価値を生み出すという私たちの「能力」に期待し、
対価を支払われるのです。
なぜ改めてこのことを整理しようと思ったかというと、
仕事上の課題を解決したり、それにまつわる人間関係を構築・修正し
ていくのに、
「意欲だけではどないもならんなぁ」とつくづく
思うことが続いたからです。
そういう時に、いつも思い出す(頭の中でグルグルと回る)コトバがあります。
公私共にご指導頂いているアチーブメント(株)の青木仁志社長の
コトバです。
「自分には無い能力を、他の人が持っているとしたら、その能力を、
自分の能力として使わせて頂く。それもその人の能力である」
「能力」のところを「人脈」等、色々置き換えても当てはまるかも
しれません。
「賢いヤツはアホになれる。あほなヤツは賢いフリをする」と
いつも相通じるような気がしています。
もちろん、「意欲」「熱意」は絶対に大切です。
ビジネスマンであれば、「お客様の役に立ちたい」「喜んで頂きたい」という
思いは、言うまでもなく持っていて当たり前、大前提だと思います。
しかし、お客様の課題解決のための「具体的技術」や「知識」を
磨くことを怠っておきながら、言うに事欠いて「熱意」や「誠意」のみを
過度に強調しているとしたら、これは明らかにおかしい。
例えそうではなくても、自分の拙い能力(のみ)で目の前の課題を解決しようと
いう「一馬力発想」は、とてもモッタイナイと思います。
ましてやその「一馬力発想」に、お客様も巻き込まれているとしたら・・・。
そのケース・バイ・ケースの判断の差について、私は「プライドの満たし方」の
レベルの差ではないかと思っています。
「他人のチカラを借りずに、自力で何とか解決したい!」というのも
健全なプライドです。
しかし、能力(=「求めているもの・状態に現実を一致させるチカラ」)が足りなければ、
ズバリ、「求めているもの・状態に現実を一致させること」はできません。
(そのまんまですが)
そういう意味では、こちらは「自分を中心」に置き、まず自分の自尊心を満たす
レベルと言えるかも知れません。
もう一方で、
お客様(相手)が「求めているもの・状態に現実を一致させること」を第一に考え、
その状態にお客様(相手)を導くことで自分自身のプライドが満たされるのであれば、
それがお客様(相手)と自分自身にとって、最良のカタチといえるでしょう。
こちらは、「相手を中心」に置き、相手の願望実現の状態が自分の
自尊心を満たすという(高い)レベルなのだと思います。
「お客様の願望実現が、自分自身の願望実現」というように、目的地を
しっかり認識すれば、
「他人のチカラを借りずに、自力で何とか解決したい!」という、場合によっては
自己満足的に「欲求」を満たすことよりも、より賢明な選択があるはずです。
とはいえ、人様にチカラをお借りするのは抵抗があるかも・・・。
そういう時は、「人は出番を待っている!」と考えます。
実際、能力の高い人ほど「出し惜しみ」をせず、親身になってお力を貸して
くださるものです。
自分より秀でた方に上手に出番を提供でき、その方に気持ちよく
「一肌脱いで」頂ける、そしてその逆のケースも成り立つ、そういう関係が
続けば、お互い本当に素晴らしいパートナーと言えるでしょう。
(文責:常務 田畑良一)
投稿者 seiun : 2005年10月03日 23:27